ねるこの寝言「私は村をつくると決めた」

私は自由に生きると決めた 自然に還る居場所を 一万円から始める村作り

「君はそのままじゃ、絶対にいかないよ」

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焼き鳥を食べながら、彼は淡々と私に言った。

 

以前からお世話になっていた男性がいた。

その人は何かとぶっ飛んでいる。

とにかくアクティブで行動力がすごい。

役者と、他いろいろをしてる。

ちょっと、いや、かなり変わった人だった。

 

変人でゆるいけど、芝居のこととか、

仕事のことになると本当にストイック。

思いついたら即行動。

波乱の人生を歩んできたようだが、

それを力にしてきたんだろうと思う。

 

少し物事を達観視しているような。

だけど、冷静で、受容的で、

俯瞰的に物事を考えるような人だった。

 

そんな人と二人で焼き鳥を食べていた。

話をしたいと言ったのは私の方からで、

話を聞いてくれる代わりに、せめても・・・と

夕食をご馳走することになったのだ。

 

で、いろんな話をした。

今までの感謝だとか、これからやりたいことだとか。

その人と出会ったのは1年近く前で、

1年前の私はとにかく、安定してなくて

前に進むたびに不安になっていた。

問題が出てくるたびにその人に頼るようになっていた。

 

段々自分で試行錯誤するたびに、

その人に頼る機会も減っていた。

少しずつ成長してたんだと思う。

彼に会うのは久しぶりだった。

 

その時に、

これからやりたいことの話をした。

やってこなかったことに挑戦しようと思ってることを伝えた。

 

彼はふんふんと聞いていた。

 

「今まで一人で海外に行ったことがなかったから、海外に行こうと思って。」

「国内でも、沖縄や北海道に行ったことがないから、

 今年は今まで行かなかったところに行こうと思うんです。」

「行きたい国は・・・・」

 

いろいろ話した。

それを聞き終えた彼が口を開いた。

 

私のことをじっと見て

「そのままじゃ絶対に行かないよ」と言い放った。

 

「え・・・・?」

どういうことかわからず聞き返してしまった。

 

意味がわからなかった。

彼の視線に胸がどくどくして体が火照っていくのを感じた。

 

行きたいんだもん!だから言ったのに・・・

なんでまだ行ってもないのに否定するんだろう・・・

 

「『行きたい』って言ってるうちは絶対に行かない。

本当に行きたい場所だったらもう行ってるはずだから」と付け加えた。

 

 

え、だってタイミングがあるし・・・

 

 

今は忙しくて・・・

それにお金も・・・

 

気付くと私は言い訳を口走っていた。

「あ・・・」

そうだ、それが今までの自分だ。

 

私が何かに気づいたことを、彼は悟った様子だった。

『ふーん』と私の目をじっと見ていた

 

「本当に行きたいなら、お金もどうにかするし

時間だって、自分で調整できるでしょ。」

 

「大事なのは決めることなんだ。

 決めるから人は動く。

決めるから必要なものが集まってくる。」

 

「そうか・・・」

そう言われて手帳を開いた。

 

「そうそう。行動する人っていうのはね、普通そうやるの。

先に手帳を開いてスケジュールを確認する。

とにかく動く準備をするんだ」

そう言われてハッとした。

 

そうか、

成功する人たちはそうやって動いてるんだ。

 

これが、彼らと私との決定的な差だ。

 

先に「決断」するから「結果」がついてきているのだ。

 

今までの自分を作ってきたのは

今までの自分の決断だ。

 

お金だとか時間だとか、周りの環境がどうだとか

何かのせいにしてはいつも

「自分」で決めることができてなかった。

 

「行こうと思うだけじゃ夢や目標は叶わない。

とにかく決断して行動に移していくこと。それが大事。」

 

胸の中で何かがガラガラと壊れて行った。

 

そして、

そこに新たな希望の芽が芽吹いたような・・・

そんな気持ちだった

 

『変わりたい』

そんな声が心の中で響いていた。

 

「あ、ありがとうございます・・・!私決めました!!」

「4月に沖縄行ってきます!」

 

「うん、楽しんでおいで。沖縄はいいとこだよ」

そう言って彼は口元を緩めた。

 

何もわからないまま

私は沖縄に行くことを決めていた。